プロローグ

 

 ずっと君を見ていた

 ずっと君と一緒にいた

 

 ずっと君を見ていたかった

 ずっと君と一緒にいたかった

 

 でも

 

 君には助けてくれる仲間がいる

 君には仲間を守る力がある

 

 君はもう私が居なくても大丈夫

 

 だから―

 

 

  「さよなら、キャンサー。」

 

 

☆ ☆ ☆

 

浩二「ねえねえカニちゃん、今日のお昼ご飯何にするー?」

キャンサー「…うーん、しゃぶしゃぶ…なんてどう?……私のツインテで。」

ここは川辺の宮殿。とある遠い惑星と地球とを行き来できる不思議な建造物だ。

浩二「あはは、冗談キツイよカニちゃん。ほら、自分で言って涙ぐまない。」

正男「おい、ちょっと待て。お前らいつからそんなに親しくなったんだ?カニちゃんて…

浩二「いやあ、話してみたら意外と馬が合っちゃってさー。」

キャンサー「…たまに会ってこうやって話してるんです。」

 

キャンサーはこの宮殿の主。頭にカニを被った姿をしている女の子。

彼女の故郷の星には「星宮」と呼ばれる称号を持つ者が12体いる。

彼らは特別な権限を与えられた実力者集団で、キャンサーもその一人。

「巨蟹宮」の称号を持っている。

 

正男「ところで、キャンサーは地球にいて大丈夫なのか?一応あっちの星でのトップなんだろ?」

キャンサー「…今月は私が地球の警備の当番なんです。…でもこっちはとても平和なので、暇で…。」

浩二「というわけで僕がたまに遊びに来ているってわけさ。暇つぶしにね。」

正男「…暇つぶしって…お前自分の仕事はどうした。」

浩二「ギクッ」

浩二「…と、ところでカニちゃんってどうやって星宮とやらになったの? 試験とか受けるの?」

正男「おいてめえ話を逸らすな。」

キャンサー「はい、そんなかんじです。『巨蟹宮』になる前は『かに座』って称号だったんですよ。」

浩二「かに座wそのものずばりだねw」

キャンサー「せっかくだから今日は、私が星宮に入った時の話をしようかな…。」

浩二「わあ、カニちゃんの過去…!それは興味深いっ。聞かせて聞かせて!!」

正男「俺も気になるな…て、おい浩二てめえ」

キャンサー「話は、この星に初めて来た一年前にさかのぼるのだけれど…」

 

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