Story 11

 

ルーパス「あった!あれだよね!」

前方の赤いキノコの傘たちを指さすルーパス。

近づいてみると、

キャンサー「…そ、底がみえない……。」

地面に入った大きな亀裂。

その下をのぞき込むと吸い込まれるような闇が沈んでいる。

その闇のそこからからいくつものキノコの長ーい柄が伸びているのだ。

赤いキノコの傘たちが飛び石のように闇に浮かんでいる。

フェニックス「このキノコたちを渡った向こう岸に向かうぞ。」

 

キノコの上を渡るルーパスとキャンサー。

後ろからフェニックスが飛んでついてくる。

ルーパス「下に落ちたらひとたまりもなさそーだよねー。」

キャンサー「…や、やめてよ、ルーパスくん!」

ルーパス「ふふふところで君たち、この下がどうなっているのか、ご存知かい?」

フェニックス「ああ、凶悪犯罪者が送り込まれる地底監獄になってるんだろ? 通称『奈落の底』。」

ルーパス「あ、うん、そうだね。知ってたかそっか…。」

キャンサー「…ふ、二人ともよくそんなこと知ってるね…物知りだ。」

ルーパス「でへへ」

フェニックス「ルーパス、お前送り込まれないようにしろよ、奈落の底に。」

ルーパス「な、まるで僕がそのうち凶悪犯罪を犯すみたいな言い方じゃないか!」

フェニックス「ん? 違うのか? 今現在すでに要注意人物だと思うが。」

ルーパス「んな、なにをー!?」

キャンサー「ふふ、なかよしだねぇ…。」

 

ルーパス「到着ー!」

3人は向こう岸にたどり着いた。

フェニックス「会場はこの先だ。」

ルーパス「もう一息だね。」

3人の目の前には広大な森。

この森は今回の星宮選抜大会で会場として使われる。

そして森の奥に見える円筒状の建物が彼らの目指す本会場だ。

 

空を見上げてきょろきょろ辺りを見回すキャンサー。

キャンサー「…雨が降るかも、雲行きが怪しい…。」

ルーパス「それはまずいね。あの会場も遠いし、雨宿りできるところを探さなきゃ。」

フェニックス「まいったな…。」

3人は森に足を踏み入れ、急ぎ足で進んでいく。

 

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