Story 16

 

キャンサー「…ふええ、疲れた…。」

キャンサーがここまで集めたボールは4つ。

サジタ「この先にはいかせないもんねー!」

ほかの参加者から妨害を受けたり、

コランバ「ちょ、それオイラが先に見つけたんだぞ!」

ボールの取り合いになったり、

ノルマ「よこしなさい…よこしなさい……!」

ボールを奪われそうになったり。

そうしてなんとかここまで集めたのだ。

キャンサー「…二人はどうしてるかな…。」

そんなことを思いつつ、まだ見ぬ5つ目のボールを探す。

 

よくわからない金色の何かに出くわしたり、

バニーガールにラディッシュを投げつけられたりしつつも、探索を続けるキャンサー。

そして洞穴の奥で、

キャンサー「…あった…!」

ついに5つ目をゲット。

日が沈むにはまだまだ余裕がある。

キャンサー「…ふふふ、…もしかして、一番乗りかも…!」

疲れも忘れ足取り軽く、ゴールである会場、コロシアムへ向かう。

 

道がわからない。

 

キャンサー「…うう、会場はどこ…。」

周りの木々が邪魔して大きな会場も視界に入らない。

どっとぶり返してきた疲れから、ついに地に膝をついたそのとき、

???「お困りのようだね?」

救いの手が!

 

???「俺様の名前はオフューカス。この星一番の医者にして、12番目の星宮に最もふさわしい男だ!」

裾の長い白衣を着て首には聴診器。

確かに医者っぽい男だ。

そしてすごく自信満々。

キャンサー「…おお! 星宮に…すごい方なんですね…!」

目を輝かせるキャンサー。

キャンサー「…でも、私も負けてませんよ。…ほら、もうボール5つ集めたんです。」

それを聞いたオフューカスの目が、一瞬だけ獲物を狩る蛇の如くギラリと光る。

しかしすぐに満面の笑みに戻って、

オフューカス「へえ! 嬢ちゃん、もうボールを5つ揃えたのかい? すごいな!」

キャンサー「…えへへ。」

キャンサーは分かりやすく照れる。

 

キャンサー「…ところで、会場はどちらかご存知ですか…? 方向がわからなくなっちゃって…。」

オフューカス「コロシアムならあっちだよ! 俺様はまだ一つも手に入れてないから、がんばらなきゃな。」

キャンサー「…あなたならできます! 頑張ってください!」

オフューカス「いやーそういわれちゃ頑張らない手はないなあ! それじゃあ!」

キャンサー「…ありがとうございましたー! …親切でいい人だったなぁ…。」

オフューカスは森の奥へと消えていった。

 

さて、教えられた方向へ進むキャンサー。

しかし彼女の前に現れたのは…

キャンサー「…か……べ……?」

壁。

岩壁が3方を囲むくぼみに来てしまった。

キャンサー「…あれ、まっすぐ進んだはずなのに…?」

 

ふと振り向いたキャンサーは固まる。

キャンサー「…あなたは、さっきの…。」

そこにはなんと先ほどの医者、オフューカスがすごく悪そうな笑顔で仁王立ち。

オフューカス「だwまwさwれwてwやwんwのwwwwww」

キャンサー「…え? …ええええええええ!?!?!?!?」

大人げない。

非常に大人げない。

 

キャンサー「…そ、そんな…うそ、だったの…?」

オフューカス「お嬢ちゃん? おとなの言うこと鵜呑みにしちゃあ、危ないんじゃないかなあ~?」ニヤニヤ

そして更なる追い打ち。

どこからともなくするすると大蛇が現れたのだ。

キャンサーなんて一飲みにできそうなバケモノサイズ。

???「ふはは! 待ち伏せした甲斐があったぜ!」

大蛇はそう言うと、オフューカスのもとまで這い、とぐろを巻いた。

オフューカス「サーペンス、俺様のおびき出した獲物だ。感謝しろよな?」

サーペンス「ふん! ここからは俺の仕事だ。お前こそ感謝しろ!」

キャンサー「…ええ、なになにどゆこと……、もしかして、大ピンチ?」

岩壁に囲まれ、出口には大蛇(と医者)。

間違いなく大ピンチ。

オフューカス「ボールは全て俺様の物だ!」

サーペンス「いや、俺たちの物だろうが!」

キャンサー「私のボールは、私のものだよう…!」

オフューカス「ええい、どっちでもいい! かかれー!!」

…大人げない。

 

 ← stage1   stage2 → inserted by FC2 system

戻る