キャンサー「…ふええ、疲れた…。」 キャンサーがここまで集めたボールは4つ。 サジタ「この先にはいかせないもんねー!」 ほかの参加者から妨害を受けたり、 コランバ「ちょ、それオイラが先に見つけたんだぞ!」 ボールの取り合いになったり、 ノルマ「よこしなさい…よこしなさい……!」 ボールを奪われそうになったり。 そうしてなんとかここまで集めたのだ。 キャンサー「…二人はどうしてるかな…。」 そんなことを思いつつ、まだ見ぬ5つ目のボールを探す。
よくわからない金色の何かに出くわしたり、 バニーガールにラディッシュを投げつけられたりしつつも、探索を続けるキャンサー。 そして洞穴の奥で、 キャンサー「…あった…!」 ついに5つ目をゲット。 日が沈むにはまだまだ余裕がある。 キャンサー「…ふふふ、…もしかして、一番乗りかも…!」 疲れも忘れ足取り軽く、ゴールである会場、コロシアムへ向かう。
道がわからない。
キャンサー「…うう、会場はどこ…。」 周りの木々が邪魔して大きな会場も視界に入らない。 どっとぶり返してきた疲れから、ついに地に膝をついたそのとき、 ???「お困りのようだね?」 救いの手が!
???「俺様の名前はオフューカス。この星一番の医者にして、12番目の星宮に最もふさわしい男だ!」 裾の長い白衣を着て首には聴診器。 確かに医者っぽい男だ。 そしてすごく自信満々。 キャンサー「…おお! 星宮に…すごい方なんですね…!」 目を輝かせるキャンサー。 キャンサー「…でも、私も負けてませんよ。…ほら、もうボール5つ集めたんです。」 それを聞いたオフューカスの目が、一瞬だけ獲物を狩る蛇の如くギラリと光る。 しかしすぐに満面の笑みに戻って、 オフューカス「へえ! 嬢ちゃん、もうボールを5つ揃えたのかい? すごいな!」 キャンサー「…えへへ。」 キャンサーは分かりやすく照れる。
キャンサー「…ところで、会場はどちらかご存知ですか…? 方向がわからなくなっちゃって…。」 オフューカス「コロシアムならあっちだよ! 俺様はまだ一つも手に入れてないから、がんばらなきゃな。」 キャンサー「…あなたならできます! 頑張ってください!」 オフューカス「いやーそういわれちゃ頑張らない手はないなあ! それじゃあ!」 キャンサー「…ありがとうございましたー! …親切でいい人だったなぁ…。」 オフューカスは森の奥へと消えていった。
さて、教えられた方向へ進むキャンサー。 しかし彼女の前に現れたのは… キャンサー「…か……べ……?」 壁。 岩壁が3方を囲むくぼみに来てしまった。 キャンサー「…あれ、まっすぐ進んだはずなのに…?」
ふと振り向いたキャンサーは固まる。 キャンサー「…あなたは、さっきの…。」 そこにはなんと先ほどの医者、オフューカスがすごく悪そうな笑顔で仁王立ち。 オフューカス「だwまwさwれwてwやwんwのwwwwww」 キャンサー「…え? …ええええええええ!?!?!?!?」 大人げない。 非常に大人げない。
キャンサー「…そ、そんな…うそ、だったの…?」 オフューカス「お嬢ちゃん? おとなの言うこと鵜呑みにしちゃあ、危ないんじゃないかなあ~?」ニヤニヤ そして更なる追い打ち。 どこからともなくするすると大蛇が現れたのだ。 キャンサーなんて一飲みにできそうなバケモノサイズ。 ???「ふはは! 待ち伏せした甲斐があったぜ!」 大蛇はそう言うと、オフューカスのもとまで這い、とぐろを巻いた。 オフューカス「サーペンス、俺様のおびき出した獲物だ。感謝しろよな?」 サーペンス「ふん! ここからは俺の仕事だ。お前こそ感謝しろ!」 キャンサー「…ええ、なになにどゆこと……、もしかして、大ピンチ?」 岩壁に囲まれ、出口には大蛇(と医者)。 間違いなく大ピンチ。 オフューカス「ボールは全て俺様の物だ!」 サーペンス「いや、俺たちの物だろうが!」 キャンサー「私のボールは、私のものだよう…!」 オフューカス「ええい、どっちでもいい! かかれー!!」 …大人げない。 |