Story 30

 

 

キャンサーは目を覚ました。

周囲は真っ暗。

何も見えない。

キャンサー「…こ、ここどこ…、私、どうなっちゃったんだっけ…?」

状況が呑み込めない。

記憶を整理。

キャンサー「…えっと、確か…お馬さんと戦ってて…、それから…電撃に…。」

まさか。

キャンサー「…し、死んじゃったとかあ痛っ!?」

天井で頭を打った。

キャンサー「…うう、死んではいない、みたいだね…。」

 

立ち上がってみると、少し体の節々が痛むが、なんとか歩けそうだ。

キャンサー「…ようし、れっつら暗闇たんけんぎゃっ!?」

壁に激突。

キャンサー「…うう、痛い…、なんたってこんな目に…。」

誰もいないと独り言の多くなるキャンサー。

 

手探りで暗闇をさまようこと数十分。

といっても、彼女にとっては何時間もたったように感じているだろう。

キャンサー「…しんどい、帰りたい…。」

誰もいないと弱音が多くなるキャンサー。

そんな彼女の視界がほんの少しだけぼうっとした明るくなった、気がした。

キャンサー「…ついに幻覚が…。…ん?」

幻覚ではない。

何か光源があるのだ。

光を感じる方へと歩みを進める。

 

キャンサー「…あ、明るくなってきた。…なにこれ。」

光源へとたどり着いた。

ぼんやりと蛍光イエローに光る何かを拾ってみた。

キャンサー「…石ころだ。」

 

そんなこんなで、

ところどころに落ちている謎の光る石を拾い集めながら、暗闇をさまよう。

キャンサー「…こういうときこそ、天の声?さんがナビゲートしてくれればいいのに。」

誰もいないと愚痴も多くなるキャンサー。

キャンサー「ちょっとー、誰かさん、道を教えてよー!」

反応なし。

キャンサー「…そもそもあの声って何なんだろ…。」

キャンサー「…最初は山で、次は大会の会場。…王宮にいる間はずっと聞こえてたっけ…。」

キャンサー「病気かな…? それとも、誰かが悪いやつをやっつけるために力を貸してくれてる、とか?」

キャンサー「…いやでも、私がドラコさんの方に行こうとすると必死に止めようとするし…、」

キャンサー「…じゃあ、私を常に見守ってくれてるのか…! …え、何それ逆にこわい。誰。」

相変わらず独り言が止まらない。

 

光る小石が両手で抱えるほどに集まったころ。

光で照らされ、周りを囲む岩壁がはっきりと見えるようになってきた。

 

さらに進むと周りの様子にも変化が。

道の両脇に鉄格子が見えるのだ。

その様子はまるで、

キャンサー「…牢屋?」

と、次の瞬間。

???「何者だ!?」

キャンサー「うっひゃあ!?」

 

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