キャンサーは目を覚ました。 周囲は真っ暗。 何も見えない。 キャンサー「…こ、ここどこ…、私、どうなっちゃったんだっけ…?」 状況が呑み込めない。 記憶を整理。 キャンサー「…えっと、確か…お馬さんと戦ってて…、それから…電撃に…。」 まさか。 キャンサー「…し、死んじゃったとかあ痛っ!?」 天井で頭を打った。 キャンサー「…うう、死んではいない、みたいだね…。」
立ち上がってみると、少し体の節々が痛むが、なんとか歩けそうだ。 キャンサー「…ようし、れっつら暗闇たんけんぎゃっ!?」 壁に激突。 キャンサー「…うう、痛い…、なんたってこんな目に…。」 誰もいないと独り言の多くなるキャンサー。
手探りで暗闇をさまようこと数十分。 といっても、彼女にとっては何時間もたったように感じているだろう。 キャンサー「…しんどい、帰りたい…。」 誰もいないと弱音が多くなるキャンサー。 そんな彼女の視界がほんの少しだけぼうっとした明るくなった、気がした。 キャンサー「…ついに幻覚が…。…ん?」 幻覚ではない。 何か光源があるのだ。 光を感じる方へと歩みを進める。
キャンサー「…あ、明るくなってきた。…なにこれ。」 光源へとたどり着いた。 ぼんやりと蛍光イエローに光る何かを拾ってみた。 キャンサー「…石ころだ。」
そんなこんなで、 ところどころに落ちている謎の光る石を拾い集めながら、暗闇をさまよう。 キャンサー「…こういうときこそ、天の声?さんがナビゲートしてくれればいいのに。」 誰もいないと愚痴も多くなるキャンサー。 キャンサー「ちょっとー、誰かさん、道を教えてよー!」 反応なし。 キャンサー「…そもそもあの声って何なんだろ…。」 キャンサー「…最初は山で、次は大会の会場。…王宮にいる間はずっと聞こえてたっけ…。」 キャンサー「病気かな…? それとも、誰かが悪いやつをやっつけるために力を貸してくれてる、とか?」 キャンサー「…いやでも、私がドラコさんの方に行こうとすると必死に止めようとするし…、」 キャンサー「…じゃあ、私を常に見守ってくれてるのか…! …え、何それ逆にこわい。誰。」 相変わらず独り言が止まらない。
光る小石が両手で抱えるほどに集まったころ。 光で照らされ、周りを囲む岩壁がはっきりと見えるようになってきた。
さらに進むと周りの様子にも変化が。 道の両脇に鉄格子が見えるのだ。 その様子はまるで、 キャンサー「…牢屋?」 と、次の瞬間。 ???「何者だ!?」 キャンサー「うっひゃあ!?」 |