パーシアス「このパーシアスが姫をお守りして見せよう! しかと見とけ負け犬!」
パーシアス「ぐはああ!」 早速マントムの餌食になるパーシアス。 フェニックス「何だアイツ、大口叩いてた割には残念な奴だな。」 マントムには触るだけで催眠をかけられてしまう。 パーシアスはそのことを知らなかったので仕方がない。 しかし様子がおかしい。 パーシアスはマントムに覆いかぶさられたまま、ふらふらと立ち上がったのだ。 先ほどまで姫を守るためにふるっていた剣を、 今度は姫の方へと向ける。 フェニックス「面倒なことになったな。乗っ取られたようだ。」 キャンサー「あの子たち、そんなことできるの…!?」
パーシアス「……。」 パーシアスは無言のまま剣を構え、姫に向かって駆け出す。 ルーパス「やめろっ!」 ルーパスが横から蹴り飛ばす。
大破した高級ベッドの残骸をかき分け立ち上がるパーシアス。 眼の焦点はあっていない。 ルーパス「目を覚ませ! パーシアス!」 ルーパス「そのマントを引っぺがせばいいんだね…姫は僕が守る。」
激闘の末、なんとか三人がかりでマントムを引きはがすことに成功。 パーシアス「ふ、不覚…。」 正気に戻ったパーシアスはそのまま気絶してしまった。 一息つく間もなく、マントムたちがぞろぞろと部屋へとなだれ込んでくる。 フェニックス「窓から逃げるぞ。」 フェニックスはパーシアスを背負い、ルーパスはアンドロメダ姫を抱え、全員窓を突き破り撤退。 王宮の庭へと脱出した。
しかしそんな彼らの前に立ちはだかる者が。 モノケロス「マントムでいぶりだす作戦は成功だね。」 ペガスス「目標確認。作戦を次の段階へ移行。」 ルーパス「何だお前たちは!?」 ペガスス「答える必要は無い。」 二体のうち片方は、大会会場で星宮たちをどこかへ連れ去ったあの白いロボット、ペガスス座のペガスス。 モノケロス「それよりさ、ボクら、そちらのお姫様に用があるんだけど。」 相方はペガススによく似た白い機体、一角獣座のモノケロス。 こちらは派手な翼パーツはない代わり、長い一本角が生えている。
モノケロス「ガキンチョどもはお家に帰りな。お仕事の邪魔だからさー。」 ペガスス「モノケロス、余計なことは喋るな。」 ペガススはキャンサーたちに向かって手をかざす。 次の瞬間、 ルーパス「あれ? …姫!?」 ルーパスが抱えていたはずの姫は一瞬にしてペガサスの腕の中に。 キャンサー「瞬間移動…!?」
ペガスス「聡明な貴女なら抵抗が無駄だということは理解できるはずだ。我々に協力しろ。」 モノケロス「大人しく言うことを聞けば、王さまもお妃さまも無事に返してやるよ。」 アンドロメダ「あなたたち、父上と母上を…!?」 ここまで平然としていた気高い姫君も、両親が人質に取られていると知り険しい表情。
ルーパス「姫を返せ!!」 仕掛けるルーパス。 ペガスス「馬鹿な餓鬼だ。」 ペガススは再び手をかざす。 ルーパスの姿が消えた。 キャンサー「ルーパスくん!? ど、どこにいっちゃったの!?」 ぶす。 背後に何かの感触を覚えたキャンサー。 フェニックス「キャンサー、背中。」 見ると、ルーパスが背中の甲羅のトゲに刺さっている。 キャンサー「きゃあールーパスくん!? 大丈夫!?」 ルーパス「だいじょばないかも。」 地面にへなへなと倒れた。
フェニックス「キャンサー、ヤツに手を出すなよ。今ので分かったろうが、勝ち目はない。」 キャンサー「で、でも…。」 何もできない3人をよそに、ペガススとモノケロスは尋問を始めた。 モノケロス「姫様に聞きたいことがあるのよ。あんたのご両親は口が堅くてねー。」 ペガスス「宝物庫へ案内しろ。そこに隠された秘宝が我々の目的だ。」 アンドロメダ姫は少しためらった後、キャンサーたちに聞こえるよう声を張り上げて言った。 アンドロメダ「地下室のさらに下、そこに魔法の金庫があります。開けられるのは王族のみです。」 言い終わったかと思えば、姫と2体の姿は消えていた。
キャンサー「あのお馬さんたち、おまぬけさんだね。どこに行ったのか、バレバレだよ。」 勝ち誇ったドヤ顔。 キャンサー「地下だって。さっそく行こう…!」 フェニックス「馬鹿、俺の話を聞いていたのか? 勝ち目はない。」 キャンサー「そーだった…。」 分かりやすくガッカリ顔。 フェニックス「俺達はヤツらにとって眼中にもないということだ。…まったく、」 険しい表情。 フェニックス「何を企んでいるんだ…?」
キャンサー「…あれ、ルーパスくんはどこ?」 フェニックス「!? またあいつは!」 |