Story 25

 

パーシアス「このパーシアスが姫をお守りして見せよう! しかと見とけ負け犬!」

 

パーシアス「ぐはああ!」

早速マントムの餌食になるパーシアス。

フェニックス「何だアイツ、大口叩いてた割には残念な奴だな。」

マントムには触るだけで催眠をかけられてしまう。

パーシアスはそのことを知らなかったので仕方がない。

しかし様子がおかしい。

パーシアスはマントムに覆いかぶさられたまま、ふらふらと立ち上がったのだ。

先ほどまで姫を守るためにふるっていた剣を、

今度は姫の方へと向ける。

フェニックス「面倒なことになったな。乗っ取られたようだ。」

キャンサー「あの子たち、そんなことできるの…!?」

 

パーシアス「……。」

パーシアスは無言のまま剣を構え、姫に向かって駆け出す。

ルーパス「やめろっ!」

ルーパスが横から蹴り飛ばす。

 

大破した高級ベッドの残骸をかき分け立ち上がるパーシアス。

眼の焦点はあっていない。

ルーパス「目を覚ませ! パーシアス!」

ルーパス「そのマントを引っぺがせばいいんだね…姫は僕が守る。」

 

激闘の末、なんとか三人がかりでマントムを引きはがすことに成功。

パーシアス「ふ、不覚…。」

正気に戻ったパーシアスはそのまま気絶してしまった。

一息つく間もなく、マントムたちがぞろぞろと部屋へとなだれ込んでくる。

フェニックス「窓から逃げるぞ。」

フェニックスはパーシアスを背負い、ルーパスはアンドロメダ姫を抱え、全員窓を突き破り撤退。

王宮の庭へと脱出した。

 

しかしそんな彼らの前に立ちはだかる者が。

モノケロス「マントムでいぶりだす作戦は成功だね。」

ペガスス「目標確認。作戦を次の段階へ移行。」

ルーパス「何だお前たちは!?」

ペガスス「答える必要は無い。」

二体のうち片方は、大会会場で星宮たちをどこかへ連れ去ったあの白いロボット、ペガスス座のペガスス。

モノケロス「それよりさ、ボクら、そちらのお姫様に用があるんだけど。」

相方はペガススによく似た白い機体、一角獣座のモノケロス。

こちらは派手な翼パーツはない代わり、長い一本角が生えている。

 

モノケロス「ガキンチョどもはお家に帰りな。お仕事の邪魔だからさー。」

ペガスス「モノケロス、余計なことは喋るな。」

ペガススはキャンサーたちに向かって手をかざす。

次の瞬間、

ルーパス「あれ? …姫!?」

ルーパスが抱えていたはずの姫は一瞬にしてペガサスの腕の中に。

キャンサー「瞬間移動…!?」

 

ペガスス「聡明な貴女なら抵抗が無駄だということは理解できるはずだ。我々に協力しろ。」

モノケロス「大人しく言うことを聞けば、王さまもお妃さまも無事に返してやるよ。」

アンドロメダ「あなたたち、父上と母上を…!?」

ここまで平然としていた気高い姫君も、両親が人質に取られていると知り険しい表情。

 

ルーパス「姫を返せ!!」

仕掛けるルーパス。

ペガスス「馬鹿な餓鬼だ。」

ペガススは再び手をかざす。

ルーパスの姿が消えた。

キャンサー「ルーパスくん!? ど、どこにいっちゃったの!?」

ぶす。

背後に何かの感触を覚えたキャンサー。

フェニックス「キャンサー、背中。」

見ると、ルーパスが背中の甲羅のトゲに刺さっている。

キャンサー「きゃあールーパスくん!? 大丈夫!?」

ルーパス「だいじょばないかも。」

地面にへなへなと倒れた。

 

フェニックス「キャンサー、ヤツに手を出すなよ。今ので分かったろうが、勝ち目はない。」

キャンサー「で、でも…。」

何もできない3人をよそに、ペガススとモノケロスは尋問を始めた。

モノケロス「姫様に聞きたいことがあるのよ。あんたのご両親は口が堅くてねー。」

ペガスス「宝物庫へ案内しろ。そこに隠された秘宝が我々の目的だ。」

アンドロメダ姫は少しためらった後、キャンサーたちに聞こえるよう声を張り上げて言った。

アンドロメダ「地下室のさらに下、そこに魔法の金庫があります。開けられるのは王族のみです。」

言い終わったかと思えば、姫と2体の姿は消えていた。

 

キャンサー「あのお馬さんたち、おまぬけさんだね。どこに行ったのか、バレバレだよ。」

勝ち誇ったドヤ顔。

キャンサー「地下だって。さっそく行こう…!」

フェニックス「馬鹿、俺の話を聞いていたのか? 勝ち目はない。」

キャンサー「そーだった…。」

分かりやすくガッカリ顔。

フェニックス「俺達はヤツらにとって眼中にもないということだ。…まったく、」

険しい表情。

フェニックス「何を企んでいるんだ…?」

 

キャンサー「…あれ、ルーパスくんはどこ?」

フェニックス「!? またあいつは!」

 

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