キャンサー「…い、いきなり襲い掛かってくるなんて…女の子に。」 突然勝負を仕掛けてきたルーパスをなんとかハサミで投げ飛ばしたキャンサー。 ルーパス「いやーあ、ごめんごめん。つい、興奮しちゃって。」 投げ飛ばされて雪まみれで謝るルーパス。 今日も、いつもどおりのやり取りをする二人なのであった。
ルーパス「それにしても、お兄さん、よく許してくれたね、大会出場。」 キャンサー「ギクリ」 ルーパス「危なそうな種目もあるから許してくれないかと思ったけど……いまギクリって言った?」 目が泳ぐキャンサー。 キャンサー「…ぁあ、えっと…そ、の……。」 ルーパス「…キャンサーちゃん、まさか。」
兄が大会への出場を許可しなかったこと、兄の言いつけに従わず出てきてしまったこと。 すべて説明するころにはキャンサーの目にはうっすら涙が。 ルーパス「キャ、キャンサーちゃん…。」 なぜかもらい泣きするルーパス。本人より泣いてる。 ルーパス「大丈夫だよ、もしもの時は僕がお兄さんから君を守って見せる…!」 それでいいのやら。
そのころ、 いにしえの塔のてっぺん、 祭壇の「彼女」はつぶやいた。 ???「…さぁて、そろそろ頃合いかな…。」
第1章 完 |