Story 7

 

キャンサー「…い、いきなり襲い掛かってくるなんて…女の子に。」

突然勝負を仕掛けてきたルーパスをなんとかハサミで投げ飛ばしたキャンサー。

ルーパス「いやーあ、ごめんごめん。つい、興奮しちゃって。」

投げ飛ばされて雪まみれで謝るルーパス。

今日も、いつもどおりのやり取りをする二人なのであった。

 

ルーパス「それにしても、お兄さん、よく許してくれたね、大会出場。」

キャンサー「ギクリ」

ルーパス「危なそうな種目もあるから許してくれないかと思ったけど……いまギクリって言った?」

目が泳ぐキャンサー。

キャンサー「…ぁあ、えっと…そ、の……。」

ルーパス「…キャンサーちゃん、まさか。」

 

兄が大会への出場を許可しなかったこと、兄の言いつけに従わず出てきてしまったこと。

すべて説明するころにはキャンサーの目にはうっすら涙が。

ルーパス「キャ、キャンサーちゃん…。」

なぜかもらい泣きするルーパス。本人より泣いてる。

ルーパス「大丈夫だよ、もしもの時は僕がお兄さんから君を守って見せる…!」

それでいいのやら。

 

 

そのころ、

いにしえの塔のてっぺん、

祭壇の「彼女」はつぶやいた。

???「…さぁて、そろそろ頃合いかな…。」

 

第1章 完

 

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